入れ替われむ

594名無しさん@お腹いっぱい。2018/11/12(月) 03:31:25.42
目が覚めるとれむは深ちゃになっていた。
鏡を見なくてもこの左手首を見ればわかる。
起き上がるとあちこちがズキズキと痛む。
そのどれもが経験したことのないタイプの痛みだった。
それにしても貧相な部屋だ。
もはや布団としての役割を果たしていない布と小さな机が1つ、そして酒ビンが無造作に転がっている。
「おい!起きてんのか!」
聞き覚えのある声がする、誰だかは思い出せない。
ドアが開いた。そこに立っていたのは怖い顔をした男だった。
パパちゃだ。一瞬わからなかったのは見たことのない怖い顔をしていたからだろう。
けどあの顔の大きくてキモいところが完全にパパちゃと一致する。
その顔が迫ってくる。怖い。怖い。怖い。
突然殴られた。
「お前みたいな子供産まれて来なければよかった」
何度も殴られた。犯された。
酒ビンを振り下ろされた瞬間に意識が飛んだ。

目が覚めるとれむはれむになっていた。

あとから聞いた話だけど、
その日、深ちゃが屋上から飛び降りたそうだ。


落ちたしりりに届いた一通の手紙

938名無しさん@お腹いっぱい。2018/11/15(木) 01:45:25.36
何者かの手によって白日の下に晒されたしりりの過去。
最早スクールカースト上位だった頃の栄光は面影もなく、れむちゃにはもちろん深淵にすら憐れみと侮蔑の入り混じった視線を向けられ、挙句には水槽に浮かぶマンボウにさえ嘲笑されるしりり。

そんなど゛わイきから使用済みオナホ投棄マンへと急落を遂げ苦悩する彼の元へ京都府から一通の手紙が届く…

「確かにしりり君がした事は流石にキモ過ぎてコメント出来ないけど、私はしりり君の事信じてるからね…」

果たして彼に待ち受けるのは無能弁護士の影か京都府知事か、はたまたトチ狂った崇拝者かーー

←to be continued…


崇拝総集編

969名無しさん@お腹いっぱい。2019/02/03(日) 15:46:41.24»977»978»981»997
1.
水槽の表面まで浮き上がったにすが水面から顔を出してクラスの人気者のしりりに
「んぼっ!んぼぉ(え、と……あの、今度のMDMで……合作とかしない)?」と
ラブコールを送るも「でも、お前マンボウじゃん」の一言で一蹴される

2.
「れむっふ!MDMで合作しようぜ!イヤならパンツ見せろ!」
「もー!しりりくんってば強引なんだから……いいよ。それにパンツも見せてあげる」
スカートをたくし上げながらしりりに向かってにじり寄るれむっふ
「ちょっ、おま……ど゙わぁっ!」

3.
しりりにフラれて傷心のにすは水槽の中でプカプカ浮いたり沈んだりと緩慢な動作を
繰り返すばかり(別にふだんどおりの生態)
そこに突如として現れた某ゴム製品が「よう、にす!お前フェラが上手いんだってな!
俺と『合作』しようぜ!」と直球で申し入れる
「え、何この人は……そんな、いきなり『合作』なんて……!」と困惑するにすだったが
しりりにフラれて自棄気味になっていたこともありついその申し出を受け入れてしまう

4.
(やっぱり……しりりくんとじゃなきゃイヤ!)とばかりに狭い水槽の中を逃げ回るにす
水槽に向かって「しゃぶれよ」と突き出されるゴム製品によってにすの心は病んでいく
そしてMDM開催
しりりとれむっふの合作はいい出来だったにもかかわらず再生数はそれほど伸びない
にす「熱中症で入院してたから間に合いませんでした…(頭マンボウ並みの言い訳)」

5.
れむっふにそそのかされて面白半分で深淵にちょっかいを出し始めたしりり
次第に深淵のメンヘラ特有の闇に惹かれていくとともにれむっふとは疎遠になっていく
にすは水面に身を横たえたまま死んだ振りを続ける

6.
しりり身バレ
れむっふが距離を置き始めたことを見計らってここぞとばかりに(微エロSSの力を得て)
押し倒されたり脱がされたりとなりふり構わぬ体を使った戦法で攻勢に出る深淵
極悪れむちゃ推しでイメージを悪化させることも忘れないという徹底ぶり
空腹のあまりにすに手を掛けようとした深淵を押し止めながら糞ボでの再起を誓うしりり

7.
(怪文書の中でだけ)合作の話が進み互いの家に行きかうまで進展していく深しりの仲
脱ぎっぷりに定評がある深淵が本気を出していよいよ「合作」開始か…?というところで
れむっふの邪魔が入る

8.
深淵疑惑の人物が動画スレに現れ痛キショいレスを垂れ流す……時を同じくして深淵も
数ヶ月ぶりに静画を投稿したけど多分ただの偶然だと思う
セクハラコメやそれに反応する深淵でそこそこ盛り上がりつつも、次第に沈静化して再び
無視される存在に
けっきょく調子に乗って自分で自分の首を絞めるタイプなんだよこいつは

9.
にす死亡
音MDMのとき、しりりにフラれた時点で死んだも同然だからむしろ遅すぎた埋葬と言えよう
深淵の鎧や極悪れむちゃネタで細々と命脈を保つ崇拝スレの明日はどっちだ
なんかもう死人ばっかで深淵も最初から死んでるようなもんだし


オナホの呪い

202名無しさん@お腹いっぱい。2019/02/12(火) 06:50:29.94»211
~しりり宅~ We are in the bedroom

しりり「どゎ…ごめん…深淵…なんか無理だ…」
†外に捨てたオナホの呪いでチンポが起たなくなってしまったしりり†
しりり「くそっ…どうしちまったんだ、こんな大事な時に…!」
しりり「いつもだったら触れただけで出しちまうってのに…」
全裸待機深淵「……大丈夫だよしりりくん…元気出して…」ギュッ
しりりに近寄り優しく手を握る
しりり「ごめん深淵…ごめん…」
全裸待機深淵「ううん、しりりくんは謝らなくていいんだよ…」
しりり「深淵…」
全裸待機深淵「しりりくん……」


????「どうやらお困りのようれむね」

しりり全裸待機深淵「!!?」


面影を探して

887名無しさん@お腹いっぱい。2019/05/22(水) 10:11:12.77»890»906
1人で新幹線に乗るのは初めてだった。
あまり外に出ることのない深淵を今、遠く離れたこの町までいざなったのはとあるネットの書き込みであった。
そう、ここに来れば彼に会える。

店内を見渡す。店員の中に彼らしき人物は見当たらない。厨房にいる1人の顔が見えないが、背格好からして彼ではなさそうだ。
まあいい、ホテルは2日分取ってある。3日のうちのどこかで会えればいい、そう思ったその時だった。

「ご注文は?」

おかしい。そんなはずはない。
しかし目の前の短髪で細身で清潔感のある青年から発せられた声は間違いなく、よく知っている“彼”の声だった。
深淵は思わず逃げ出した。


すぐに深淵は下りの新幹線に乗っていた。目の前の現実に耐えられなかった。彼は変わっていた。深淵が忘れられずに手の首に線を引いている間に、“しりり”はもう“しりり”ではなくなっていた。
風より早く進む新幹線とは正反対に深淵の心は取り残されていた。


フメとは

286名無しさん@お腹いっぱい。2019/07/08(月) 18:06:21.40
お前ら全然わかってないしフメちゃのこと誤解してる

マンボウの水槽の前で愁嘆場を演じる深淵としりりを教室の外からクスクス笑いながら盗み見て
家に帰ってからペンタブでお絵かき→無言でアップ

上位カースト女子たちに押さえつけられてれむちゃに鎧の隙間からミミズを入れられる深淵を眺めて
家に帰ってからペンタブでお絵かき→無言でアップ

でも直接しりりから「あれ?お前たしか不明とかいう奴だよな。俺のキャス音声とか動画に使ってるけど
何なに?俺に興味とかあったりとかすんのw」
みたいに言われたら「~~ッ!!///」って耳まで真っ赤にして駆け出すような、そんな女の子なんやぞ
そして家に帰ってからペンタブでお絵かき→無言でアップ

同じメンヘラながら構ってちゃんタイプの深淵とは対極の存在と言えよう


フメとは2

63名無しさん@お腹いっぱい。2019/08/24(土) 15:30:25.43»64
https://twitter.com/fumei_unknown/status/1165140466477805569
https://pbs.twimg.com/media/ECtpEDLVUAAhfWh.jpg


フメちゃ・・・
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)


64名無しさん@お腹いっぱい。2019/08/24(土) 16:35:47.49
>>63
フメちゃしりりのこと好きすぎだろ…

・・・

なんか教室の隅っこらへんにさぁ不明とかいう女いるよな?
いつもノートに絵かなんか描いてて絶対に喋らない変なやつ
こないだ昼休みにあいつが俺のほうチラチラ見てるような気がして
「よぉ何描いてんの?」って近付こうとしたら
慌てて閉じたノートをカバンに突っ込んでガタッて立ち上がったかと思うと
一瞬だけキッ!って俺のこと睨んでそのまま教室から出て行っちゃったんだよ
顔真っ赤だったし俺なんか怒らせるようなことしちまったのかなぁ…

…っておい、深淵!ちょ、待てよ!待てったら!どこ行くんだよ?こんな時間に
ど゙わぁッ!危っぶね…カッターの刃こっち向けんなって!…いっぺん落ち着こう、な?


マスク

914名無し戦隊ナノレンジャー!2020/03/22(日) 19:22:30.84
――教室にて――

しりり「れむっふ!マスク無いから代わりにパンツ貸してくんねー?w」

れむ「はぁー?頭コロナにやられたれむか?」アタマワルワル-

しりり「冗談だってw あーどこかにマスクを無料でくれる女神様はいないかなぁー」

れむ「んもぅしょうがないれむねぇ…」ガサゴソ

れむ「あっ…マスクこれで終わり…」

しりり「あーないのか まっいいかー 俺が学校休めばいいだけだもんなw」

れむ「えっ…本当に…?」

しりり「なんだよその顔wwwおもしろwww」

れむ「もー!」

深淵「…」


915名無し戦隊ナノレンジャー!2020/03/22(日) 19:24:23.43>>928
――次の日――

しりり「学校休んでするゲームは最高だぜ!!!」

しりママ「しりり!!!ゲームしてないで勉強かお店の手伝いしなさい!」

しりり「店の手伝いって客の出入りもすくねーから店閉めてるし勉強の一択しかねえじゃん…」

しりママ「それとあとこれ」ガサ

しりり「なにこれ?」

しりママ「さっき同じクラスの子が来て今日学校で配られた物だって 
     大事なものだからすぐに確認しておいて下さいって言ってたわよ」

しりり「ふーん(れむっふかな?)そこおいといてー」

深淵「……」

深淵「…見てくれたかな 私のパンツ…」

その後、封筒にしまわれた深淵の暗黒パンツは二度と表に出る事はなかったという…

深淵ノーパンEND


ラメ入り復刻

259名無し戦隊ナノレンジャー!2020/04/04(土) 00:28:07.27
キンタマ覚えてから、れむ、いつも家に帰るとキンタマしてるくせに、学校では男子のちょっとエッチな話聞くとすぐ顔真っ赤にして、無言になるよね。
そのせいで竹ねえが「ちょっと、そういう話れむの前でするのやめなよー」って言うの。
男子はみんなれむが好きだから、表面上は適当にそれを流すけど、内心はどわどわして嫌われてないか心配してる。
深ちゃが空気読めないで誰も聞いてないのに自分の胸の感度の話をしだすけど、みんな無視するから最後深ちゃは脱ぎ始めて、自分の下着をはさみで裁断する。(隠キャ特有の開き直り自分は痛い子アピール)
竹ねえが話題を変えようと昨日食べたアイスの話をし始めるけど、れむはずっといやらしいこと考えてるから表情がぎこちなくて。「ねえ、れむ、聞いてる?」「....ん、うん….」
そんなれむが可愛いから竹ねえは思わずれむのほっぺにちゅーしちゃう。
頬に柔らかく唇が触れて、「ちゅーしちゃった」って笑う竹ねえの小悪魔的な笑顔がきらめいて、
机から落ちる一本のラメ入りのボールペン。


学園生徒プロフィール

222名無し戦隊ナノレンジャー!2020/05/26(火) 10:13:36.59
毎夜しりりを想う崇拝学園生徒たち

★にす
校内で飼われているマンボウ。しりりくんがいきものがかりのときエサをちょっと多くくれたのを覚えており
しりりくんと学園祭を一緒に回りたいと考えていたられむちゃと巡ることを知りり急激に体温が上昇し死亡した。

★深淵
直接的な接点は少ないが、しりりくんは学園のスターなので彼女のような鎧陰キャにも話しかけたためしりり君の珍棒を狙うようになってしまった。
しりり君が好きなのか尋ねると否定こそするが兜の奥の顔は紅く染まる。よくパンツを盗まれる

★むじゅちゃ
しりりくんを美術の授業のデッサンで描きたいと言ったのに逃げられたので仕方なく妄想で勝手に描くほどしりりくんのことで頭が一杯だったおじさん。
しりり君とは別のクラスにいたので話す機会は少なかったらしい。
今は自分のクラスのありのお世話係をしておりよく絵日記を交換しているところを見かけるが実はふめくんに仕事を全て任せていて怠けている

★こかちゃ
最近頭角を表してきたスケバン。いろんな娘と話しているのを見かけるがよくよく聞いてみるとしりり君と死相の話しかしておらず内容もそんなに面白くない
しりり君とはクラスが別だったため直接話したことはほとんどないが、純粋にしりりくんを応援していた夢女子。
今はマンボウにエサをやったりアリパイに万汁を飲ませたりふるたかをパシリにしたりしている

★れむちゃ
公式CPであり相思相愛でありお似合いカップルである
その学園トップクラスの頭脳とセンスはしりり君とは違った魅力がありしりり君が嫌いな娘はれむちゃを崇拝するほどだった。
しりりくんとの生活費を稼ぐために夜な夜なマイクロソフト社員と淫行したり
しりりくんの気を引くためにパンツを濡らしてみたりわざと盗ませたりトイレに連れ込んだりと試行錯誤を続け
ついにしりりくんと合作した。
しかし援助交際が発覚、しりり君より先に退学処分にされてしまう
学園内ではしりり君よりファンがいるのではないだろうか?生きる希望であるれむ。


深淵とキャベツの歌

397 1 名前:名無し戦隊ナノレンジャー! Mail:sage 投稿日:2020/06/03(水) 17:59:28.91
アニメで文化祭終了後の打ち上げカラオケでお互いのオリジナル曲歌うことになって寿司しか喉を通らないを桃子が、お留守番けんまとイルミナティ少女をれむちゃが熱唱するのすき


398 名前:名無し戦隊ナノレンジャー! Mail:sage 投稿日:2020/06/03(水) 18:27:21.47
深淵あれ歌えよ!武装キャベツ?ってやつ!


399名無し戦隊ナノレンジャー!2020/06/03(水) 19:02:41.85>>406>>409
深淵「ええっ!?う、うん……」
深淵「(スゥ…)さんぜんとあーおーいーそーら♪」

一般生徒「あーつまんね」
一般生徒「やっぱ爆死クソアニメはOP曲までクソだな」

突然歌うのを止め、ヤジを飛ばした一般生徒をキッと睨みつける深淵
胸元に伸びた指先が上から順にシャツのボタンを外していく

深淵「見ーつーめーる君はー♪」

ヤジを飛ばした一般生徒に目配せしながらシャツを脱ぎ捨てた深淵が
スカートのホックに手を掛けて続きを歌い始める

一般生徒「やっぱ武装キャベツって至高のアニメだったわ」
一般生徒「ああ、OPも名曲だよな……」


深淵とウサギ

290名無し戦隊ナノレンジャー!2020/07/25(土) 00:34:53.68>>317
深淵にさ、なんでお前毎日飽きもせずウサギの世話なんかしてるんだって聞いたら「昔のお坊さんは、肉が食べれない代わりにウサギを食べてたんだって」なんて言ってきてさぁ。
こいつマジで食うもんないのかと思ったけど、とりあえず話を合わせときゃ笑ってくれるからさ、そのー、アイツ、笑ったら意外と可愛いんだよ。普段は仮面で見えないけど…

だから、「ウサギは腹減ってる奴が居たら自分から火に飛び込んで食べてもらうらしいな~、バカなんじゃねえかな」って言ってやったらさ、
「ふへへ…ウサギさん偉いんだね。でもこんなに可愛いんだもん、二度と食べたりなんてしないよ。」
なんて言ってウサギに向かってニッコリ笑うんだ…。

ま、こんなことマンボウのお前に言っても仕方ないけどさ…じゃあ、エサ当番も終わったことだし俺も帰るわ、じゃあな。(水の入換を忘れていたため翌朝水面に浮かぶことになった)


島谷先生の秘めた興奮

747名無し戦隊ナノレンジャー!2020/08/11(火) 21:48:07.84
深淵に裏地の胸パット切除した水着着せて水泳の授業参加させたらいきなり冷たい水掛けられて乳首勃たせてそれ見た自己矛盾の先公が勃起しててワロタ
あいつ普段は動画以外興味ないですみたいな顔してるくせに生徒のことしっかりエロい目で見てて草だわ


深淵と病棟と崇拝の絆

275名無し戦隊ナノレンジャー!2020/08/27(木) 00:33:13.25
「どこ…ここ…」
深淵は真っ暗な廃墟の中の一室にいた。
軍服姿の少年に渡されたメモを頼りにここまで来たが、それが何のためであるかは全く分かっていなかった。
「…」
深淵は昨日のことを思い出していた。

久しぶりに学園を訪れた深淵。
しかしそこは閑散としていた。
もうしりりくんもいない。れむっふもいない。そんなことはわかっていた。
それでも誰かいないかと淡い期待を持ち教室へ行くと、マンボウに餌をやっている少女の姿があった。
(あれは…こかこいさんだ)
オークションにかけられたことを思い出し身震いしたが、幸い今はこ囲いはいないようだった。
深淵は勇気を出して声をかけた。
「あの…」
声に気付き振り向いたこかこいだったが、プイと顔を逸らすと教室から出て行こうとした。
「あ…」
「何?僕はVtuberで忙しいの」
そういうとこかこいはもはや一瞥もせずに去っていった。
深淵は自分が孤独であることを嫌というほど実感してしまった。
(もう…帰ろう…)

「あれ?あなた深淵さんですよね」
そんなとき、軍服の少年に声をかけられた。
深淵は嬉しかった。もう誰も自分を気にかけてくれる人などいないと思っていたからだ。
この少年のことは知らないが、話しかけられる、ただそれだけで嬉しかった。
少年は明るくよく喋ったが、どこか卑屈で他人に縋るような眼は、深淵に過去の自分を思い起こさせた。
「そうだ深淵さん、今度こ↑こ↓に来ませんか?」
少年が一枚のメモを差し出した。
「これは…?」
「着いてからのお楽しみですよ!」
屈託なく笑う少年の姿に、いつの間にか気を許していた深淵は疑うことなくメモを受け取ったのだった。
背後で何か物音が聞こえた気がしたが、やっと信頼できる友達を得た深淵には、そんなことも水槽のマンボウのことも気にならなかった。


276名無し戦隊ナノレンジャー!2020/08/27(木) 00:34:16.37>>289>>297
パッと部屋の電球が点いた。
とはいっても部屋全体を照らすほどの明るさはなく、ぼんやりと人影が確認できるほどでしかなかった。
そう、部屋の中にはすでに人がいたのだ。数人か、はたまた数十人か…
「ほらね、やっぱり来たでしょ!?」
聞き覚えのある声の方へ視線を向けると、軍服を着た少年がいることがぼんやりとわかった。
「…ここはどこ?何をするの…?」
「君は何も知らなくていいんですよ、君はね」
少年の声に反応するように、でっぷりとした体格の中年が立ち上がり、奥からゆっくりと自分の方へと近づいてくる。
「これが深淵か。ガリガリのくせして、妙にそそる身体をしてるのが鎧の上からでもわかるぜ」
顔はよく見えなかったが、じゅるりという音で舌なめずりをしているのが感じられた。
「…!」
深淵は踵を返し逃げようとしたが、すでに出口は見知らぬ男たちに塞がれていた。
「そう嫌がるなよ。俺達と遊ぼうぜ」
振り返ると、中年はもうすぐ近くまで迫っており、太い手を深淵へと伸ばしている。
まるで暗闇でも獲物を逃さぬように、赤外線を感じるピット器官を備えた蛇のようだ。
「いゃ…」
「そんな顔したってしりりはもういないんだぜ?お前は大人しく、俺達と『合作』すればいいんだよ!」
周囲から下卑た笑い声が溢れ、部屋中に響き渡った。
毛むくじゃらの手が、深淵の鎧に触れる。
(しりりくん…助けて…!)

――――同時刻、一部屋だけ明かりが灯った廃墟の前に、三人と一匹が集まっていた。
「んぼっ、んぼぉっ!」
「こかこいさんが言っていた場所は、ここで間違いありませんね」
「まったく、世話の焼けるやつれむねぇ」
「待ってろよ深淵、俺が糞みたいなボイスドラマ作って助けてやるからな…!」
地面で窒息死したマンボウを残し、三人は廃墟へと足を踏み出したのだった――――


上位カースト女子

351名無し戦隊ナノレンジャー!2020/08/29(土) 22:53:14.63>>352
「最近の深淵ってさあ……。」
「うん。」
「あいつ絶対自分のことかわいいと思ってるよね。」
「あー分かる分かるw身の程わきまえろよ、みたいな感じ?」
「ちょっと男子たちからちやほやされたからってすっかりいい気になっちゃってんの。」
「怪文書で得た偽りの人気だってのになに勘違いしてんだか。」
「あーあ、こんなときれむっふさんがいてくれたらなぁ。」
「……だよねぇ。」


809名無し戦隊ナノレンジャー!2020/09/13(日) 15:20:37.90
「最近さあ…」
「ん。」
「深淵のやつちょっと調子に乗ってなくね?」
「せやなw」
「ちょw笑い事じゃねえんだよ。あいつ、ちょっと陰キャ男子の間で人気があるからってさぁ」
「ワロエナイ感じ?」
「いやマジでマジで。ここらでキッチリ〆とくべきだと思うんだけど」
「でも、れむっふさんもういないよね」
「それよ。れむれむ言う珍獣ならいるよ?ほら私も持ってるし…(「れみゃ~(鳴き声)!」)
「でもそれって朝起きたら勝手に増えてたりするでしょ?なんかキモくて私ぜんぶ捨てたし」
「……だよねぇ。(れむれむ奇声を上げる珍獣をゴミ箱に投げ捨てながら)」
「うん。あの頃みたいに…キレッキレだった頃のれむっふさんがいてくれたら深淵なんかに」
「上位カースト女子B、それは言わない約束でしょ」
「ごめん。なんか、本当にごめん」
「ええんやで。まあそれはそれとして私、前から上位カースト女子Bのこと……」
「え?ちょっと……上位カースト女子Aなにするの?女の子どうしでそんなこといや、あぁッ」

かつてれむっふの下で自分をイジメていた女子たちのなんかすごい場面を目撃してしまい、
教室に踏み入れようとした足を止め廊下に佇むより他はない深淵だった―――――――。


深淵とおじちゃん

383名無し戦隊ナノレンジャー!2020/10/01(木) 06:00:36.43>>385
しりりくんの音MADが響く昼休みの学園、深淵は職員室に呼び出されていた。
「なんでここに呼ばれたのか、お分かりかな?」
机の上に置かれたGBをトントンと指差し、教師は深淵に問い詰めた。
GBの中では、眼鏡をかけた青年がマイクに向かって何かを話している。
「はい…」
「ほんとにね、これだけは勘弁してほしい。もの申したいんですよそこは。見りゃわかるでしょ?」
深淵はうつむき、黙って聞いていた。
提出した課題が、教師のご機嫌を損ねたようだ
…しかし教師のこれまでの行いを考えれば、これぐらいのGBがなんだというのだ?なぜここまで怒られなければならないのか?
深淵の心に湧いた疑問は、言葉となって発せられた。
「でも…先生も現実の人間の切り抜き、たくさんしてますよね…?」
鳥が求愛行動時にえずくような、絞るような声だった。

だが、それが教師の逆鱗に触れた。
「そういう意図じゃないからさ!思想が見えないんですよ!しかも最初は15FPSで提出しましたよね?動きがカクカクしてるんですよ。一番最初に見てあれ?って思ったのが、私が手を動かすシーンなんだけど…事細かに作ってますからね動きを、フレーム単位で。FPS下げられたら全部台無しなんですよ。インタビューを切り抜いたんでしょ?それを、なるべく、クオリティ下げずに、ね?クオリティ下げずに出すのが最低ラインなんですよ!でしょ?来年もこんな感じだったら私絶対採点しないからね。私がこういうのは、来年も採点したいからですよ!」
教師はまるで愛の裏返しだとでもいうように、早口で巻くし立てた。

「ごめんなさい…」
確かに15FPSで提出してしまったのはわたしだ…
先生がFPSにうるさいことを忘れてしまっていた…
再提出したとはいえ、先生の性格を考えれば怒られるのは仕方がないことだ…
深淵には、もはや謝る以外の選択肢は残っていなかった。
「嫌ならやめればいいじゃんって思っちゃうじゃんそういうの見ると!やっぱねぇ、超変だよ!だから馴れ合い嫌いなの私!」
……

教師の説教は永遠に続くかと思われた。


384名無し戦隊ナノレンジャー!2020/10/01(木) 06:01:05.06
その時、ガラガラと大きな音を立て職員室の扉が開いた。
「あっ深淵また怒られてるぅ、プププー」
入ってきたのはれむっふだった。手にはmp4が握られている。
深淵はちらりと横目でれむっふを確認し、素早く目を伏せた。
わたしと違い優等生のれむっふ…
あのmp4もどうせ、みんなから褒められる素晴らしい出来に違いない…
MGRウイルスに感染した自分では到底作れないようなMADだ…
深淵の頬を、一筋の涙が伝った。

「ねぇせんせぇ、深淵なんかほっといてれむの音MAD採点して~!今回は超自信作なんだぁ!」
「私音MADよくわからないんですよね」
「れ゛む゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!」
れむっふの咆哮が、スピーカーから流れるUmainerに混ざって消えていった――――


怪文書/学園短編集2.txt · 最終更新: 2021/06/06 16:17 by serf
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